引き続きとばしまメモリー・なみの章のお仕事。レポートは今回で終わりです。
※デザインの著作権は近畿日本鉄道様にあります※
三ツ島 という島があるそうです。文字通りに三つの島、なんですね。
こちらのデザインは橋のケーブル?線がものすごく細くて。
いろいろ試しましたが釉薬の上に特別調合した顔料で極細の線を描くことで解決しました。イセエビの触角と同じく超難関。フリーハンドだからね!!!
英虞湾のカヤック
この波々線も細い直線ラインも、息を止めながら描きました(笑)
のんびりカヤックの上から穏やかな海を眺めるのも素敵でしょうね。

ハマナデシコ
全体的な形はすんなりといきましたが、背景の色と雄しべの極細の線にちょっと泣いた作品。
今回のお仕事はすでに出来上がった原画デザインがあり、それをスペインタイルとして再現するというものでした。
全16種類のデザインがありましたが、使われている色がほぼ全部違うので、ちゃんと微妙に違う色で再現せねばと頑張りました。
再現するのが意外と難しいのが青緑系。
青系の釉薬は他と比べると透明度が高いせいかなと思うのですが、修正も含めて二回以上釉薬を重ねて焼くと色がだんだん濃くなります。
だからそれも計算に入れて調合しなくてはなりませんでした。
もう少し青寄り、とかもう少し明度高い緑寄りにとか、ほんの少しだけくすませるとか。
混色するほど彩度は落ちていきますので思うような色になるまで結構大変なんですよ。
あと、スペインタイルって太陽の光の下で見る時が一番鮮やかに見えるんです。
なのでテストピースを電灯の明かりの下と太陽光の下で色味確認したりとかも。
飾られるのが電車内なので電灯オンリーでもいいかと思ったけど、地下鉄じゃないから太陽光も差し込むよねと思うとやっぱり両方かなって。
そこまでこだわるか~いと自分に言いながらも(笑)やりました。

鳥羽水族館 ジュゴンのタイル
ジュゴンといえば故じゅんいち君。世界最長飼育記録でしたかね?
もう30年以上前、鳥羽水族館でじゅんいち君に会って、ときめきのあまりアマモ咥えたジュゴンのぬいぐるみを買って帰った思い出が。
かわいいよね、ジュゴン。
とかいろいろ思い出しつつも、背景の青緑色の再現と中央の六角形の部分の表現に苦心した作品。

常永久の鐘
幸せの鐘ともいうそうですね。各地にある恋人が一緒に鳴らすと幸せになる…という鐘でもあるようですが、ちょっと調べてみたら悲しい歴史も。
それとともに地元の方の勇気が称えられ記念となる鐘でもあるのですね。

常永久の鐘も並べてみましたよ。これもまた四隅の模様が花になり、鐘の柱の線もまた中央に別の形を作り出しています。きれいですね。
常永久の名の通り、繰り返しどこまでもつながっていく絵柄です。デザイナーさんGreat Job。
さて、3回にわたってご紹介してきた、とばしまメモリー・なみの章の絵タイル。
いかがでしたでしょうか?
一人でも多くの方に見ていただき、また楽しんでいただけたら幸いです。
スペインタイルの魅力も伝わるといいな~!
私もこのお仕事にかかわることができ幸せでした。
各方面の皆様、ありがとうございました。
※前々回の記事、追記更新したのが反映されてなかったので本日再アップしました。大王埼灯台とハマユウのタイルが追加されてます…
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