皆様こんにちは!立春を過ぎて何となく春への期待に胸膨らむ今日この頃。
今回は工房のお仕事のご紹介です。
昨年秋から近畿日本鉄道のラッピング電車を彩る陶器タイル(スペインタイル)の制作を担当させていただいておりました。
”とばしまメモリー・なみの章”と名付けられたとても美しい電車です。
”なみの章”のデザインのモチーフは鳥羽・志摩の海にちなむ生き物や灯台など。それらをちりばめたタイル模様で彩り、そのすばらしさを伝えます。
”とばしまメモリー”の詳細については近鉄さんのプレスリリースをご覧ください
→■
こちらは2月3日に行われた出発式の様子。(近鉄さんの公式Twitterより)
また、こちらは志摩市観光協会さんのインスタグラム。
2月4日に行われた内覧会の様子です。ちょっと長いのですが電車の内側も丁寧に映してくださっていて、私のタイルたちも登場^^。
そして…扉の上のタイルについて書かれた一文…写してくださってありがとうございます。
読んでいて涙出た。頑張った甲斐があったなと。作家冥利に尽きます。
旅立って行ったいとおしいタイルたち、末永くみんなに愛されますように。
私が制作したタイルはもちろんですが、外側の装飾・内装の吊革アクセサリーや座席の座面、側面、床に至るまでタイルモチーフがいっぱい!
木目調のドア、テラコッタタイル調の床も南欧の雰囲気で素敵。
また、中吊り広告のところには海の生き物たちがゆらぎ、美しい海の水を切り取ったような素敵な吊革のアクセサリーもかわいいので見逃さないでね!
そして本日、2月6日から”とばしまメモリー・なみの章”は三重県の主に伊勢中川駅~賢島駅での通常運行が始まります♪
ちなみに特急などではなく普通電車として運行するので普通運賃で乗れるそうです。
地元の方は通勤時や生活の中で普通に乗れるんですよ!?うらやましい!!!
”とばしまメモリー”のもう一編成”うみの章”も2月末から走り始めるそうです。
こちらはおだやかな里の海をイメージしたものになるとか。楽しみですね♪
さて、私自身は出発式・内覧会ともに行かれず…。
でも内覧会には、カワイイゆるきゃらの『しまこさん』も来ていたし、青さのお味噌汁がふるまわれたり記念品も素敵だったみたいで…あああ。行けた方がうらやましすぎる。
親子連れや鉄道ファンの方をはじめ沢山の方がいらして下さったようです。
当日訪れた方や観光関係の皆様などがSNSにその時のお写真や動画をアップして下さっているので、機会がありましたら「とばしまメモリー」で検索してみてくださいね。
せっかくなので私からも(本日から情報解禁になりましたので)制作時の様子など何度かに分けてご紹介していきますね。
今回制作したタイルはデザイナーさんが作られた原画を元に制作しました。
制作技法を検討させていただきましたが、原画を拝見してこれはクエルダ・セカ一択だなと。
出来上がりのイメージはすぐにできたのですが、画面が10×10cmと小さかったので、
こまやかな面や極細の線の再現などに苦心しました。
あとは色の再現…。原画は微妙な色合いが多かったので混色テストをかなり繰り返しました。60種類以上作ったかな~。
インクのように出来上がりの色の調合割合の見本があるわけではないのでね。
釉薬の発色状況をテストして最終的には素地タイルの色も茶タイルと白タイル使い分けています。
※以下画像内のタイルデザインの著作権は近畿日本鉄道様にあります
作品(一部):かわいい!(自画自賛)
瓶玉:絵付け中。瓶玉ちゃんは一番手がかかりました。真ん中の格子文様や周りの小さな四角とギザギザ模様…ちゃんと角を出さなきゃいけないからね。
瓶玉:焼成1回目の後に加筆中。クエルダ・セカの独特の立体感を損なわないように、凸凹となる場所を検討して。オイル技法併用。真ん中の区切り線は1mm弱…あとからオイル技法で描くことに。
アコヤガイ:作りやすかった。2回目焼成後加筆中。加筆修正に使うシャーペンは0.3mm。
イセエビ:絵付け泣かせのアンヨと触角。結局脚はオイルで後描きし触角(?)は焼成後の釉薬の上に独自調合した顔料で極細の線を描いて再焼成ということで解決。

大王埼灯台
色の再現に少し時間がかかりましたが割と早くに完成できた作品。
すくっと立ち上がる美しい灯台のシルエット。海を感じます。いいですねー。
ハマユウ
すっきりした格子模様が印象的な作品。色の組み合わせもきれい。
背景の色とお花&四角い緑味のあるグレイッシュブルー(なんじゃそりゃ)の色味の再現が難しかった…。
長くなりましたので、取り急ぎ今回はこの辺で。
とばしまメモリー、お近くの方はぜひ乗りに行ってくださいね~♪
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